田中俊光さんのその後の調査によって、SNAPは始まったばかりのプロジェクトでもアクティブなプロジェクトでもなかったことが判明しています。下記の内容については特に修正はしていませんが、読者の方にはSNAPプロジェクトについての誤解を防ぐために田中さんのエントリ「お詫びと訂正:SONYのSNAPについて」を先に読んでおくことを強くオススメします。
まずは前回の訂正から
前回、私は「SNAPエミュレーター」と記載したのですが、実際には田中さんからの指摘があったように、SNAPシミュレーターの間違いでした。申し訳ありません。
SNAP Setup Guide.pdfの「3 Development Environment Concept」を改めて確認したところ、SNAPの開発には3つの段階があり、前回SNAPを実行したのは開発環境であるUbuntu 9.10からSNAPフレームワークとSNAPアプリケーションを直接実行して、動作をシミュレートするPhase 1という段階であるとの記載がありました。
Phase 1ではSNAPのベースとなるGNUstepもUbuntu 9.10から直接実行されていますし、SNAPエミュレーターの実行に必要と記載されているNFSの設定も必要ありません。(念のためNFSの設定を無効にして確認しました。)
VirtualBox等から対象ハードウェアを仮想的に起動するPhase 3まで進まなくても、開発環境上でQEMUを使ってSNAPの対象ハードウェアをエミュレートするPhase 2まで進めば、もう少し分かることもありそうなのですが、SNAP SDK Ver.1.2.2ではPhase 1のSNAPシミュレーターしか提供されていなかっために、諦めるしかありませんでした。
次に、何故かAndroidのアイコンが表示された件ですが、こちらの環境でも田中さんの結果と同じく、TVフォルダの中にAndroidアイコンが表示されてはいたものの、Androidアプリケーションの実行まで進めても何も起こりませんでした。
Androidアイコンは3つ存在するのですが、どれもAndroidのサンプルアプリであるHelloAndroidで、デバッグモニタによれば、
[WARNING] Failed to spawn App Android: [2]No such file or directory
で、AndroidというSNAPアプリケーションが存在しないためにHelloAndroidを実行できなかったというメッセージで終わっています。
ただし、
- UbuntuにJava実行環境がまだインストールされていなかったにも関わらず、SONYのサイトからオンデマンドでダウンロードしたSNAPアプリケーションにAndroid用のHelloAndroidのソースとバイナリ一式が含まれていたこと
- 一緒にダウンロードされたSNAPアプリケーション用のマニフェストファイル、snapMANIFEST.xmlにアプリケーションの種類としてAndroidと記載があったこと
- SNAPの対象ハードウェア環境についてはドキュメントを読んだ限りではコアOSがLinux Kernel 2.6であるとしか記載されていないこと
- SNAPシミュレーターからrootディレクトリとして見えるUbuntu側のディレクトリが /home/sony/snap/target/X86_LINUX_PC/ となっていること
- SNAP関連のファイルは、対象ハードウェアのファイルシステムの /usr/local 以外には展開されないこと
等を考慮すれば、SNAPはx86版Androidとのハイブリッド?という妄想すらできそうです。
私はAndroidに手を出した事が無いので、実際問題としてそんな事が可能なのかどうかすら分からないのですが、Androidに詳しい方であれば何らかの痕跡を見つけることができるかもしれませんね。
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